寺子屋”ZEN”は新潟県三条市の工具メーカーに勤務40年の丸山善三がお届けするWebメディアです。

ブラタモリ放映(燕三条編)

2008年より放映された、NHKの街歩き番組である『ブラタモリ』は、
既に放送15年目となる人気長寿番組でもある。進行役であるタモリさんの
軽妙なトークで、土曜夜19時30分からのゴールデンタイムで、最高視聴率も15%を超える。
この番組は、アシスタント役の女子アナウンサーがタモリさんの聞き役に徹しながら
番組に彩を放つ。何よりも物知りなタモリさんの頭の柔軟さが際立っている。
番組ナレーターも元SMAP(スマップ)の草彅剛さんである。オープニング曲は、
井上陽水さんの軽やかなタンゴ調の楽曲で、番組の期待感を掻き立てる。

番組は、タモリさんが現地を歩きながらその土地の古い地図を片手に探索して
歴史の残痕を紹介する。土地に詳しい地元の方が、地理的な観点からエピソードを話す。
時に地元の名士・名家の方も登場する。番組の構成は、ロケーションスタイルでタモリさんの
アドリブ性が高い。同じNHKの紀行・バラエティ番組『鶴瓶の家族に乾杯』では、
アポなしの訪問スタイルが、鶴瓶さんの個性を際立たせている。いずれもタモリ、鶴瓶という
今を代表する役者の個性によるところが大きい。ドキュメンタリー番組、オールロケーション
番組はそれなりの経費と時間を要する一方で視聴者に与えるインパクトは大きい。
最も超人気俳優を登場させ長期間番組を続ける台所事情もあるだろう。NHKのなせる業である。
収益最優先の民放にはなかなか難しい。私自身にすれば、お笑い系・グルメ系
(個々の嗜好はあるが・・・)満載の民放TVで正直少し辟易している。

さて、当地三条も9月9日(第246回)“燕VS三条モノづくりの町発展のカギとは?―”
のタイトルで『ブラタモリ』が放映された。
隣り合う燕市と三条市は行政区分も燕市と三条市に分かれている。
古くから「金物の町」として交流があって、燕は“職人”三条は“商人”の街
として、江戸期から対抗意識があったと言われている。2003年には合併を問う
住民投票が行われたが、燕市での僅差の反対多数で合併実現には成らなかった。
市境にあるJR燕三条駅と三条燕インターチェンジの名称を巡って論争が起きるなど、
過去の経緯は否めない。現在では、同じ経済圏の下で燕三条青年会議所(JC)等、
若手経営者間では協業的な活動が行われている。両市は燕市がステンレス製品、
三条市が鉄製品と、主力製品は異なるものの、人口減少が続く中で
相互に広域連携を進めることは急務の課題と言える。
10月26日~29日には、燕三条地域の生産企業が工場などを開放するイベント
燕三条 工場の祭典2023」が大々的に開催された。
両市を核とした広域連携を深める活動は、さらに加速していくであろう。

今回人気番組で紹介された燕三条地区が、これをきっかけとして
より多くの方から正しく認識して貰う事を願いたい。


良ろしければ下記の記事も併せてご覧ください。

三条市・燕市合同イベントや文化の違いをテーマにした記事の紹介

●WHAT IS KOUBA?(燕三条 工場の祭典)
https://sanjo-city.note.jp/n/n577714a398ec

●隣街なのに異なるラーメンの世界【燕三条でキッチンのリフォームを考えた後編】
https://note.com/techtravelerk/n/nc455e89dfb74

●トップ工業㈱公式note
https://note.com/top_tools|note

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