寺子屋”ZEN”は新潟県三条市の工具メーカーに勤務40年の丸山善三がお届けするWebメディアです。

健康寿命を延ばす

何気ない運動にも効用が

ようやく10月の声を聞いた。9月23日(お彼岸の中日・秋分の日)には、ご先祖様のお墓参りに行ってきた。もうお盆の頃の蝉しぐれも聞かれない。「ジー……、ジー……」の虫の鳴き声がわずかに聞こえるだけの墓地は、すっかり秋の様相である。

さて、私は、昨年6月より新潟県の60歳以上が学ぶ場としての「シニアカレッジ新潟」に通っている。これらの内容は、昨年6月のこのブログでもお伝えした。【人生100年時代 “シニアカレッジ新潟” 受講】
その時「人生100年時代」を見据えてのブログ作りを考えた訳である。
自身の日常の経験を盛り込み、エピソードを集めていくとおのずと健康についても多くなってくる。今や日本の平均寿命は男女とも80歳を超えるまでになった。それと共に健康上で日常生活が制限されることなく生活できる期間である「健康寿命」を延ばすことが大きな課題となってきた。日本人の平均寿命(生まれてから亡くなるまでの平均的な時間)から健康寿命を差し引いてみると2022年段階で健康寿命と平均寿命の差は男性が8.48歳、女性が11.64歳となっている。この数字は、男女ともに約10年前後にわたり、健康上の問題で何かしら制限のある生活を送っていることを意味している。

「シニアカレッジ」では、いわゆる中高年向けの数々の講座が開設されている。先月の講座は、「転倒を予防し、認知症も防ぐエクササイズ」と興味を引く内容であった。講座で紹介された新聞記事の投稿が大変興深かったので、ここに抜粋して体を動かす重要性を紹介したい。


タイトルは“毎朝のブランコ 気分晴れ晴れ”

《私はほぼ毎日、近くの公園でブランコに座ってこいでいます。きっかけは5年前、ウォーキング中に突然、左ひざを痛めたことです

―中略―

そんなある日、ふと誰もいない公園で、ブランコに乗ってみました。それからひざの具合も良くなっていくようで、やめられなくなりました。今では毎日快適に歩いております。老婆がブランコをこぐ図―ちょっと不気味でもありますが、ブランコが日本に入ってきたのは体育用具として、と聞いていますが、その効用なるのもがあるなら、専門家のご意見を伺ってみたいと思っております。》

以上投稿記事(一部丸山加筆)

投稿は、81歳の主婦の方からである。

さて、ブランコの効用は、次のようである。ブランコは、バランス運動であり、全身400ある骨格筋が使われる。さらに大きな効果として、「健康寿命」を延ばすために必要な《筋肉・骨・ホルモン・血管・神経》5つの機能が活性化する。また膝に障害がある人にも最適である。因みにブランコは、明治6年に体育用具として日本に入ってきた。軍隊でも使用された。当時、シーソー、鉄棒、ブランコは、三種の神器とも言われた。その後は、子供の遊具としてすべり台、砂場、ジャングルジムなどと一緒に設置され現在に至っている。

なるほど、日常、大人がいわゆるノスタルジックな感覚に感じるブランコ、実は理にかなった万能な運動器具であることが分かる。一般的にエクササイズとして馴染み深いウオーキング、ランニング、水泳などの型にはまった運動以外でも“何気なく体を動かす”効果も至る所(家事なども)にあり、探してみる価値はあると感じる。

ここで私から大人の皆様に提案してみたい。
もしブランコや鉄棒、ジャングルジムなどの前を通ったら躊躇せずに使ってみてください。ワクワク、ハラハラ、ドキドキ、そして、思い切って(あるいは、心の中で)“はしゃぎ声”を上げていただきたいのだが……。

近年は、戸外で遊ぶ子供たちの“はしゃぎ声”もあまり聞こえなくなったようで少し寂しくも感じる。

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