私のささやかな自慢
高齢者が、ある成果を求めて新しいことを始めるという行為は、結構勇気のいることである。66歳の私は、いわゆる趣味の領域でここ数年のうちいくつか新しいことに挑戦した。まあ挑戦というほどの仰々しいことではないのだが、いずれも自分なりに目標といえるものを持っている。
第一は、英会話習得である。英会話は、以前当会誌でも取り上げていただいた。英語の習得は、中学校から大学まで約10年間勉強してきた。結果は、御覧の通りに話せるとは言い難い。しかし、今更こんなことを言っても始まらない。ずばり今回私が英会話スクールに通い始めたきっかけは、外国人の考えを知りたいからである。それならば、書物やあらゆる媒体からでも分かるのでは、と思うかも知れないが、そうではなく直接会話してのコミュニケーションから彼らの考えを知りたいわけである。その目的の為に私は、2つの英会話スクールへ通ってそれぞれ異なった国の教師からコミュニケーションツールとして英会話を学んでいる。現在、スウェーデン人とイギリス人の二人の英語教師から英会話を教わっている。レッスンは、主にテキストを使わずに最近の話題を持ち寄っての自由な英会話をしながら行われる。私は、教師がゆっくりと分かりやすく話す会話を自分なりに頭の中で日本語に整理しながら知っている単語を文法無視で羅列し返答する。2人の教師の1人は、日本人の女性と結婚しているスウェーデン人教師である。彼は、西洋諸国と日本の文化などの比較を客観的に話してくれる。また、もう一人の早口で話す20代前半の若いイギリス人教師は、アニメ等の日本のサブカルチャーに詳しく私は、彼から日本のアニメ事情を聞いている。日本アニメは、映像を通して世界中に広がっている。改めて世界の若者層を中心に急速に広がる日本アニメの力を知った。このように英会話は、現在も楽しく学び続けている。
さてもう一つ新しく始めたことは、ピアノレッスンである。私は、10年位前にとにかく、どの楽器でも自分で演奏をしたいと、ギター演奏を独学でやってみた経験がある。ギター演奏は、右手の弦の抑えがどうも上手くいかずに結局、3カ月余で途切れた。
ピアノレッスンを始めたのは楽器演奏の願望もさることながら近所に良い先生がいた事である。私は、その先生に、好きなフォークソングのレパートリーを演奏できるようになりたいと話した。すると先生は、薄いフォークソングの楽曲集を示して「これを週1回練習すれば1年位で完全に演奏できますよ」と言った。私は躊躇なく速断し現在、この先生からピアノレッスンを受けている。

レッスンは、週1回、1時間のマンツーマンレッスンを受ける。今は、早くも今年の夏に向けて井上陽水の「少年時代」を猛特訓中である。
私のささやかな自慢と言えるものは、以上のことである。いずれも成果を思い描いて、かたくなった脳みそをストレッチしている。