東京出張にて
私は、作業工具業界にたずさわって40年余
昭和末期からの時代で入社後、大阪勤務に始まり出先の全国の営業所を回ってきた。会社の東京営業所は、神田駅東口から歩いて10分少々のところで、日本橋の北側に位置する中央区小伝馬町。伝馬町牢屋敷のあった場所である。
近くに江戸通りが走り、江戸時代には旅人宿の多い賑わった街で、繊維問屋や金物問屋も多く連なっていた街でもあった。私が勤務した頃はバブル経済の真っ只中で東京営業所の近くは、私たちの顧客でもあった多くの金物問屋さんがあり、商品を荷下ろしする車で賑わっていた。
現在、それらは面影もなくなって、ただ中層ビルが立ち並ぶ通りに変わってしまった。急速に進む時の移り変わりにくらくらする思いを感ずる。
わが国は、バブル経済崩壊から30年余が経過する。バブル崩壊前の好景気時に建設されたオフィスビルも老朽化が進む。耐震化は十分だったのだろうか。昨今、トルコの大地震の報道を聞くにつけて、心配になる。果たして震度7クラスの大災害で倒壊・崩壊しないだろうかと…。
先日東京営業所に行って、近くのビル群を見上げてそんな不安を覚えた。