寺子屋”ZEN”は新潟県三条市の工具メーカーに勤務40年の丸山善三がお届けするWebメディアです。

けん玉に夢中

童心に帰る

早いもので11月を迎えた。今年も残すところ後2ヶ月。7日の立冬を過ぎる頃から冷たい北風、木枯らしが吹いて朝晩の寒さも増してくる。私の住んでいる近くに白鳥の飛来地がある。早朝、戸外に出てみると1日の餌を求めて水田をめざす白鳥が観察された。今季初めての白鳥である。あの独特の鳴き声が、朝焼けの空に響き渡る。彼らは、この時期極寒のシベリアを離れ越冬のため、日本列島を南下する。これから3~4カ月間は、朝晩空を見る楽しみが増えた。

さて、先日ある方からけん玉の面白さを聞いて挑戦してみることにした。

そして、早速けん玉をネットで購入した。先ずは、いちばんやさしい受け皿“大玉”に乗せることから始めた。しかしながらそれが結構難儀であった。何回も失敗し、ようやく少しさまになった頃には、汗が滲んできた。けん玉をするとウォーキングに近い消費カロリーが期待できる。 けん玉は、バランスをとりながら、目や体を動かす遊びであり、自然と脳が活性化される。認知症の予防にも大きな効果があるのではないかと注目されているようだ。「できた!」という喜びで達成感を味わう。ストレス解消にもなる。ところで小学校の頃、商店街でけん玉の大道芸を見たことを思い起こした。私は、玉が吸い付けられるように繰り返し剣に収まる姿を見て、何か仕掛けがあるはずだと芸人の後ろから見たりもしていた。

けん玉は、日本発祥の伝統的な遊びでありながら、近年では世界中で愛されるスポーツとしても注目されている。シンプルな動きながら奥深い、段階ごとにいろいろな技に挑戦出来て子どもから大人まで楽しめる魅力あふれる遊びといえる。その起源は、16世紀のフランスで遊ばれていた記録があり、日本には江戸時代に伝わったとされている。日本での最古の記録は1777年頃で、「拳玉(けんだま)」と呼ばれていた。けん玉が世界中で愛される理由の1つは、何と言ってもその単純でありながらの奥深さにあるようだ。初心者でもたやすく、技を楽しむことができると共に段階的に高度なトリックにも挑戦できる。けん玉は、老いも若きも年代を問わず楽しめる頭と身体を刺激する遊びである。

秋の夜長……。運動に適した時期であるが、しばらくはけん玉で睡眠時間が少なくなりそうである。

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