寺子屋”ZEN”は新潟県三条市の工具メーカーに勤務40年の丸山善三がお届けするWebメディアです。

少年時代の記録

夏休みの日記から

皆様、暑中お見舞い申し上げます。また今年も暑い季節がやってきました。くれぐれもお気を付けください。小まめな水分補給は、勿論のこと、背に腹は代えられません。電気代と相談することなく必要によって冷房機器を使っていただきたいと思います。8月に入り学校も夏休み入っている。夏休みといえば絵日記を想像する。ところで私の机の脇ある書棚の近くに1冊の古い日記帳がいつも置かれてある。昭和43年(1968年)私が、小学校6年生の時に書いた日記帳である。なんと今から57年前の出来事を書いた記録である。自身を振り返ることができる記録として大切に手元に置いている。本当にあれから想像もできない程の月日が過ぎてしまった。ここで夏休みの日記の内容を一部抜粋して紹介することにしたい。

  • 7月25日、はれ…1学期最後の終業式がありました。ドキドキしながら先生から通信ぼをもらった。算数が“4”から“3”に下がった。がっくりしたな。家に帰る前に学校の図書館から明智小五郎と少年探偵の『透明人間』をかりる。『怪盗ルパン』もおもしろそうだったが、明智小五郎にした。夏休みにしっかりよみたい。
  • 7月28日、はれ…剣道の夏合宿さいごの日。8月からの日本武道館で始まる剣道の全国大会は、がんばろう。
  • 8月1日、はれ…全国大会は、一回戦で東京のチームにまけた。大将戦で一本とられてくやしかった、○○先生が、よくやった。あと少しだったな。ぼくのところにきてこえをかけてくれた。少しうれしかったな。
  • 8月13日、はれ…おとうさんの実家へ行ってお墓まいりをした。おばあちゃんが、おおきくなったな。と両手でぼくのかたをつかんだ。少しはずかしかった。
  • 8月15日、はれ…家族で(おかあさんは、留守番)静岡の湯河原に旅行へ行った。特急にのって東京駅まで4時間20分。東京駅は、人が多くびっくりした。新幹線「こだま」に乗って静岡にむかいました。ぼくはうきうきしている。
  • 8月23日、雨…もうすぐに2学期だ。夏休み1人1研究「さびの研究」は、おとうさんからよくできた。とほめてもらえた。2学期が始まる時、先生にすぐみせよう。長いと思った夏休みもあとわずか。
  • 8月31日、はれ…朝おきるとおとうさんが、デパートへ行こう。とぼくを電車で長岡の○○デパートへつれてくれた。デパートの屋上でしゃてきをした。おとうさんが、たばこをあてた。かえりは、きかんしゃにのってオムレツを食べてかえった。楽しかった。あすからまた学校だ。

  夏休みは、父とよく出かけた。出不精の母親は、私達が帰ってくると美味しい夕食をこしらえて待っていてくれた。これらの内容も時々書かれてある。日記を読むとたどたどしい文字から当時の場景が、断片的に浮かび上がってくる。当時は、1日1日が本当に長く感じられた。60年近く前の当時の日記帳を持っていて本当に良かったと思う。整理整頓の時は、絶対に日記の類は捨てないように。

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